今回は、そんな悩みを解決します。
この記事で分かること
・インドネシアと旧正月(春節)の関係が分かる
旧正月(春節)(※以降旧正月)をご存知でしょうか。
インドネシアでは、祝日ということもあり広く知られています。
ちなみにインドネシアで旧正月は『イムレック』と呼ばれています。
今回は、そんなインドネシアと旧正月の記事となります。
調べてみると、興味深い歴史背景が見えてきました。
最後まで読んでいくと、インドネシアのあまり知られていない側面が分かりますよ。
旧正月(春節)イムレックとは
まずは、旧正月とは何か、というところからご紹介していきます。
旧正月は旧暦(太陰太陽暦)の1月1日です。
太陰太陽暦では、新月になる日を月の始まりと考えます。
この考えでいくと新月の周期が約29.5日となります。
1年が約354日となり、太陽暦の1年365日より11日ほど少なくなります。
この考えの場合、毎年旧正月が早まっていくと思われますが、閏月(1年が13ヶ月になる)というものを設けて調整しています。
19年で7回ほど閏月があるようですね。
調整があるおかげで旧正月は毎年、1月下旬から2月中旬頃になります。
豆知識~日本と旧正月~
じつは明治維新以前の大正時代の後期まで、日本も『旧暦』を採用していました。
そのため、お正月といえば『旧正月』のことでした。
いつから旧暦が廃止され新暦となったのか。
諸説ありますが、有力な説をご紹介します。
明治6年・新政府が立ち上がって間もなく明治政府は財政難に陥りました。
旧暦の給料体制のままだと月給を13回払わなければならない年がある。。
ということで、暦を西洋社会と同じく『新暦』に改訂し、人件費を削ったいう説があります。
また、明治時代には脱亜入欧の風潮もあり、アジアで広く認識されている旧暦が時代遅れだとみなされていたことも手伝って、明治政府は旧暦を廃止してしまったとの事です。
東南アジアでは、インドネシア以外にも影響を受けている国があります。
シンガポールやマレーシア、ブルネイ、ベトナムなどがインドネシアと同様に祝日であったり多くの店舗が閉まっています。
特に、ベトナムは本場中国のように一週間ほどはお正月モードに突入します。
ベトナムでは、旧正月を『テト』と呼びます。
中国に接しているため中国からの観光客も多く、交通機関が大混雑するシーズンとなります。
インドネシアでは、各地のモールで旧正月モードが味わえますよ。
大きな獅子舞や中華風の装飾で彩られています。
インドネシア在住者であれば、旧正月前に最寄りのモールを覗いてみましょう。
旧正月と春節の違いとは?
ここからは、旧正月と春節の違いを紹介します。
結論としては、どちらも呼び方の違いだけで、旧暦(太陰太陽暦)の1月1日を指しています。
日本では、旧正月・春節のどちらも耳にしますよね。
旧正月
旧正月(太陰太陽暦)は中国伝統の歴です。
旧正月は、黄暦・皇暦、旧暦とも呼ばれていました。
そして、英語では『Lunar New Year』と呼びます。
春節
春節は、中国伝統の暦ではありません。
近年では、春節以外にも『農暦新年』、『陰暦新年』とも呼ばれています。
そして、英語では『Chinese New Year』と呼びます。
どちらもGoogle翻訳でチェックしてもこのように出てきますよ。
旧正月・春節の呼び方の違い
呼び方の違いは、無神論を掲げる共産党が関係しています。
伝統の中国文化を新しく作り変える意味で、昔からの旧正月という呼び方を変えてきました。
伝統や先祖を敬うという1日ではなく、春の到来を祝うという何気ない1日という意味に薄めたという事ですね。
諸説ありますが、本記事では先程紹介したサイトを参考にさせて頂きました。
インドネシアと旧正月の関係
インドネシアでは、旧正月が祝日とされていて国民に認知されています。
各地のモールに行くとお祝いムードが漂い、生活に浸透していることが伺えます。
そんなインドネシアですが、歴史の中では今とは違う景色が見えてきます。
それは、スハルト大統領政権の時代です(任期:1967年3月12日 - 1998年5月21日)。
独裁政権と言われるスハルト政権下のオルデ・バル(新秩序)呼ばれる時代では、華人が抑圧されていた過去があります。
華人は1998年のアジア通貨危機に端を発した暴動で、スハルト政権が倒れるまでの約30年間は苦しい環境に耐えていました。
当時は、公の場で中国文化や宗教にかかわる装飾を施すことは禁じられていました。
1967年に発せられた大統領令が2000年に廃止されるまでは、厳しい時代だったということですね。
その後、2003年には旧正月はインドネシアの祝日になりました。
ここから、華人コミュニティーでは、伝統を取り戻そうという機運が再び高まったとのことです。
ちなみに、スハルト政権前のインドネシアには旧正月の祝日があったようですね。
なので、2003年は旧正月祝日の復活の年ということになります。
今では当たり前のように旧正月のムードが溢れて盛り上がりますが、当たり前ではない時代があったということですね。
参考情報 インドネシア語新聞翻訳
まとめ:インドネシアの旧正月(春節)とは【2023年は1月22日です】
いかがだったでしょうか。
インドネシアと旧正月の関係が分かりましたか。
旧正月が近づいてきたので調べてみたら、インドネシアと旧正月の深いつながりが見えてきました。
現在のインドネシアでは、人口全体で数パーセントの華人が経済の90%以上を握っていると言われるほど経済面で圧倒しています。
インドネシア国内の各財閥を見ていくと、どの企業も華僑系ということが分かります。
今では旧正月でお祝いムードが当たり前です。
歴史の背景を知りつつ楽しむと、その国の文化的背景も理解できますね。
とはいえ、インドネシアでの旧正月は祝日なのでやりたいことを楽しみましょう。
Good Luck!