今回は、インドネシアの世界遺産を紹介します。
この記事で分かること
・インドネシアの世界遺産情報が分かる
インドネシアは、13,000を超える島々で構成された赤道直下の東南アジアの国です。
自然に溢れる環境があり、歴史的背景をみると様々な宗教や文化が入り混じっていることが分かります。
今回は、そんなインドネシアの世界遺産に関して紹介していきます。
インドネシアの歴史は、多様な文化や歴史から構成されています。
そのため、世界遺産にもその特徴が現れていますよ。
本記事を読み進めると、インドネシアの多様性にも触れることが出来ますよ。
インドネシアの世界遺産を紹介します!
本記事では、インドネシアの世界遺産を紹介していきます。
世界遺産を知ると、国立公園や宗教遺跡など文化や歴史を知ることが出来ますよ。
インドネシアに行く機会があれば、事前に知っていると、より深くインドネシアを理解することが出来ます。
世界遺産は、ユネスコの世界遺産リストに登録された遺産を指します。
主に3つの世界遺産のカテゴリーに分けられています。
世界遺産の種類
・文化遺産 ※日本の例:法隆寺地域の仏教建造物、原爆ドーム、富岡製糸場 など
・自然遺産 ※日本の例:屋久島、白神山地、知床、小笠原諸島
・複合遺産 ※日本の例:なし
文化遺産は歴史的な背景を持ったもの、自然遺産は自然現象や地形など自然を背景にした遺産です。
2つの特徴をかけ合わせたものが、複合遺産となります。
インドネシアの世界遺産の数は、以下となります。
インドネシアの世界遺産数
・文化遺産:5件 ※日本:19件
・自然遺産:4件 ※日本:4件
・複合遺産:0件 ※日本:0件
インドネシアも日本も登録数がそこまで多くないですね。
両国共に多様な文化や自然があるため、今後は増えていくかもです。
ちなみに、世界最多はイタリアの55件とのことです。
さて、ここからは、インドネシアの世界遺産に関して見ていきましょう。
9つの世界遺産の詳細を知ることが出来ますよ。
インドネシアの文化遺産
まずはインドネシアの文化遺産から紹介していきます。
文化遺産からは、インドネシアの歴史的背景や文化が見えてきますよ。
ボロブドゥール寺院遺跡群
インドネシアの世界遺産といえばこちら『ボロブドゥール寺院遺跡群』を想像する方が多いのではないでしょうか。
ボロブドゥール寺院遺跡群は、中部ジャワの古都ジョグジャカルタにあります。
ジャカルタやバリ島から飛行機で1時間ほどで行くことが出来ますよ。
ジョグジャカルタは、仏教やヒンドゥー教がいち早く広まり、ジャワ島の中心地として文化を形成しました。
ガジャマダ大学を中心とした多くの私立大学がある学術都市でもあります。
ボロブドゥール寺院遺跡群の中心であるボロブドゥール寺院は、世界最大規模の仏教寺院です。
イスラム教徒が約90%を占めるインドネシアにあるのは意外ですよね。
寺院は、下層から上層に行くにつれて、仏教の三界の世界観(欲界→色界→無色界)が表現されています。
巨大マンダラを表現したものだとも言われていますね。
回廊のレリーフは時計回りに見ていくと、ブッダの生誕からその教えまでを学ぶことができます。
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プランバナン寺院群
『プランバナン寺院群』もジョグジャカルタにあります。
こちらは、世界有数のヒンドゥー教の寺院群となります。
同じ地域に仏教寺院とヒンドゥー教寺院があるのは不思議な気がしますよね。
ボロブドゥール寺院は8世紀頃に建てられ、プランバナン寺院は9~10世紀に建てられました。
比較的短期間に伝搬した宗教が変わっていますね。
宗教の伝搬により、インドネシアの歴史や文化が見えてきます。
遺跡の中心にはシヴァ神殿がそびえ立ちます。
ヒンドゥー建築では典型的な建築方法です。
ヒンドゥー教寺院なので、壁面や彫刻にはインドの古代を表す表現が見られます。
『ラーマーヤナ』というインドの古代叙事詩の中の物語を表す素晴らしい彫刻などが有名です。
ジョグジャカルタ観光する機会があれば、ボロブドゥール寺院遺跡群と一緒に訪れたい世界遺産ですね。
ジョグジャカルタの両世界遺産は、個人的には2度ほど訪れましたが、また行きたいと思える場所です。
サンギラン初期人類遺跡
※出典
『サンギラン初期人類遺跡』は、ジャワ島東側中部の町ソロの近くにある文化遺産です。
1930年代の発掘調査で、原人類の化石人骨が数多く発見されました。
この化石人骨は、ホモ・エレクトス・エレクトス(通称ジャワ原人)です。
頭蓋骨や歯、大腿骨などが数多く発見され、考古学的に重要な場所となります。
類人猿から人類に進化する過程において重要な手がかりとなる場所ですね。
発掘されたものの一部は、近くのサンギラン博物館に展示されていますよ。
建物は立派だが内容は微妙という口コミが多数でした。
化石や考古学に興味がある方におすすめですね。
バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システム
『バリ州の文化的景観 : トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システム』は、バリ州に残る文化的景観を対象とする世界遺産です。
トリ・ヒタ・カラナとは?
『トリ・ヒタ・カラナ』とは、サンスクリット語の「トリ」=3、「ヒタ」=安全、繁栄、喜び、「カラナ」=理由、に由来します。
これは、神と人、人と人、人と自然という三者の調和を重視するバリ・ヒンドゥーの哲学です。
スバックとは?
『スバック』とは、9世紀頃から組織されているバリの水利組織です。
この水利組織は、公平な水の配分を実現する農民たちのまとまりを指します。
2008年の時点で1,000を超える組織があるようですね。
水源から来た水をダムのような場所に貯め、各水田に均等に配分するというシステムを構築しています。
バリ州の棚田景観は、バリ・ヒンドゥーの哲学や水利システムに裏支えされて維持されてきた文化的景観となります。
ライステラス(棚田)観光は、バリ島観光でも定番コースなので、訪れやすい世界遺産の一つですね。
『ジャティルウィのライステラス』が世界遺産に登録されたので、興味がある方はジャティルウィを訪れてみましょう。
詳細情報
・ホームページ:ジャティルウィの公式ページ
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サワルントのオンビリン炭鉱遺跡
『サワリントのオンビリン炭鉱遺産』は、19世紀後期から20世紀初頭にかけて開発された石炭の抽出・精製・運搬に関連する施設群からなるインドネシアの世界遺産です。
こちらは、オランダの東インド会社によって開発されました。
オンビリン炭鉱遺跡は、採掘現場と炭鉱を中心としたコミュニティ・エマヘブン港の石炭貯蔵施設・鉱山と沿岸施設を結ぶ鉄道網・教育機関などから成り立っています。
2019年7月にユネスコに登録された、新しく登録された世界遺産となります。
インドネシアの自然遺産
ここからは、インドネシアの自然遺産に関して紹介していきます。
赤道直下の島国にある、自然を代表する自然遺産が分かりますよ。
ウジュン・クロン国立公園
※出典:
『ウジュン・クロン国立公園』は、インドネシア初の国立公園です。
世界有数の火山地帯であるジャワ島の西端のウジュン・クロン半島に位置しています。
ジャワ島の西側なのでジャカルタに近そうですが、ジャカルタからは車で約6時間30分ほどかかります。
絶滅危惧種であるジャワサイやバンテン(野生牛)、カニクイザル、インドクジャクなどの生息地となります。
ジャワサイは、広大な土地の中で約60頭しか生息しておらず、出会うには運も必要ですね。
公園は海にも面していて、白い砂浜が広がるエリアもあります。
そこでは、ダイバーショップにお願いするとダイビングをすることが出来ます。
ジャカルタから離れているため、旅行上級者向けの世界遺産ですね。
詳細情報
・ホームページ:ウジュン・クロン国立公園の公式ページ
コモド国立公園
『コモド国立公園』もインドネシアの国立公園の一つです。
世界最大のトカゲであるコモドオオトカゲ(コモドドラゴン)が生息していることで有名ですね。
バリ島よりもさらに東のコモド島にコモド国立公園があります。
173.5km2の広大な面積を誇る国立公園です。
多くの自然環境を残す公園ですが、最大の見所はコモドドラゴンですね。
世界でもコモド島でしか生息していないので、貴重種です。
5つ星ホテルのアヤナコモドリゾートがオープンした時は話題になりました。
コモド島に滞在する方は検討してみるといいですよ。
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ロレンツ国立公園
『ロレンツ国立公園』は、インドネシアのパプア州(ニューギニア島西部)に位置する国立公園です。
未だに解明されてないエリアが多く残る所です。
周辺には様々な部族が暮らし、手つかずの自然があります。
インドネシアは中国に次ぐ資源大国と言われていて、ロレンツ国立公園周辺でも鉱物資源が沢山取れます。
そんな背景もあり、多くの鉱物採掘業者が進出してきました。
自然豊富で美しい景観が損なわれる危機にあることから、景観・部族保護のため世界遺産に登録されました。
このように、自然保護のために世界遺産に登録されるケースもあるのですね。
岩手県と青森県を合わせたほどの広大な面積があり、そのほとんどが未開の地です。
そのため、多種多様な動物が生息していますが、未だに全種を確認出来ていないエリアとなります。
確認されている希少動物として極楽鳥やキノボリカンガルーがいます。
パプア州は軍事作戦エリアに指定されているため、外国人の入域が制限されているところがあります。
入域許可証が必要なので、事前に手続きをしておきましょう。
山間部や中心部にあるハベマ湖エリアは冷える(10℃以下になることも)ため、厚手の服も持っていきましょう。
スマトラの熱帯雨林遺産
『スマトラの熱帯雨林遺産』は、スマトラ島にある自然地域です。
スマトラ島は、首都ジャカルタがあるジャワ島から西にある大きな島ですね。
日本にいてもスマトラ沖地震など、聞いたことがあるのではないでしょうか。
メダンから車で約4時間ほどのエリアとなる、バリサン山脈に位置する「グヌン・ルセル国立公園(86万ha)」、「ケリンチ・セブラ国立公園(138万ha)」、「ブキット・バリサン・セラタン国立公園(36万ha)」の3つの保護地域からなる熱帯雨林遺産となります。
東南アジア特有の野生動物や固有種も数多く、オランウータンなどの絶滅危惧種もいます。
ちなみに『orang (h)utan(オラン・ウータン』はインドネシア語です。
「Orang」=人 「Hutan」=森林
なので、森に住む人という意味ですね。
世界遺産に登録されたのは2004年です。
その後、公園内における道路の建設計画や違法伐採、密猟などを理由に2011年に危機遺産リストに追加されました。
危機遺産リストとは
武力紛争、自然災害、大規模工事、都市開発、観光開発、商業的密猟などにより、その顕著な普遍的価値を損なうような重大な危機にさらされている世界遺産は、「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に登録されます。 危機遺産リストに登録された場合は、国際的な協力を仰ぎ、ワールド・ヘリテジ・ファンド(世界遺産基金)への財政的支援を申請することができます。
※出典:
まとめ:インドネシアの世界遺産まとめ【9つの世界遺産があります】
いかがだったでしょうか。
インドネシアのユネスコに登録されている世界遺産が分かりましたか。
インドネシアの世界遺産まとめ
1, ボロブドゥール寺院遺跡群
2, プランバナン寺院群
3, サンギラン初期人類遺跡
4, バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システム
5, サワルントのオンビリン炭鉱遺跡
6, ウジュン・クロン国立公園
7, コモド国立公園
8, ロレンツ国立公園
9, スマトラの熱帯雨林遺産
今回は、9つの世界遺産をまとめました。
観光で訪れるにはハードなエリアもありますが、魅力的な場所が多かったですよね。
バリ島やジョグジャカルタなど、観光地として人気なエリアにも世界遺産があるので、まずはそこから訪れるといいかと思います。
インドネシアの文化や歴史に触れる旅になりますよ。
Good Luck!
本記事を読んで世界遺産に興味が湧いた方は、世界遺産検定にチャレンジするのも面白いですよ。
また、ナショナル・ジオグラフィックを読んで地球に関する知識を深めるのもありですね。
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