今回は、ASEAN(東南アジア諸国連合)に関して紹介します。
この記事で分かること
・ASEAN(東南アジア諸国連合)の各国の概要が分かる
ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国は、巨大な成長市場として注目されています。
ASEANという言葉は知っていても、加盟している各国に関して詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、そんなASEAN諸国の概要を紹介していきます。
ASEANの誕生から、各国の概要に関して触れていきたいと思います。
記事では各国のデータを比較出来るので、それぞれの国の違いも見えてきますよ。
ASEAN諸国をより深堀りしたい方やASEAN進出を検討の方は、以下の書籍もチェックしましょう。
東南アジアの経済概要が分かります。
ASEAN(東南アジア諸国連合)とは
ASEAN(東南アジア諸国連合)は『The Association of Southeast Asian Nations』の頭文字を取った東南アジアの国々が集まった共同体です。
現在は、10ヶ国がASEANに加盟しています。
ASEAN加盟10ヶ国
・インドネシア
・カンボジア
・シンガポール
・タイ
・フィリピン
・ブルネイ
・ベトナム
・マレーシア
・ミャンマー
・ラオス
ASEANは、1967年にタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国で発足されました。
ASEANの事務局はインドネシアのジャカルタにあります。
2015年に共同体となったASEANは、高い経済成長から世界の『開かれた成長センター』となる潜在力が世界中から注目されています。
さて、ここからは各国の概要をご紹介していきます。
加盟10ヶ国のそれぞれの特徴を見ていきましょう。
インドネシア
基本情報
・国、地域:インドネシア共和国(Republic of Indonesia)
・面積:191万6,907平方キロメートル(2019年、日本の約5倍)
・人口:2億7,020万人(2020年、出所:中央統計庁)
・首都:ジャカルタ 人口1,056万人(2020年、出所:中央統計庁)
・言語:インドネシア語
・宗教:イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教ほか
・一人あたり名目GDP:4,038ドル(2020年)
出典:JETRO
『インドネシア』は世界第4位の人口を誇り、世界最大のイスラム教徒を抱えています。
2020年代には人口が3億人を突破すると言われており、今後にも期待の国ですね。
2021年12月から1年間はG20の議長国を務めるため、世界からも注目を集めます。
ASEANからG20に参加している唯一の国となります。
カンボジア
基本情報
・国、地域:カンボジア王国 (Kingdom of Cambodia)
・面積:18万1,035平方キロメートル(日本の約2分の1弱)
・人口:1,530万人(2019年、出所:カンボジア計画省統計局)
・首都:プノンペン(人口:212万9,000人(2019年、出所:同上))
・言語:クメール語(97.05%) ほかに少数民族言語(2.26%)、ベトナム語(0.42%)等
(2013年、出所:同上)
・宗教:仏教(97.9%) ほかにイスラム教(1.1%)、キリスト教(0.5%)等
(2013年、出所:同上)
・公用語:クメール語
・一人あたり名目GDP:1,655ドル(2020年)
出典:JETRO
『カンボジア』は世界遺産アンコール遺跡が有名ですね。
その中でもアンコールワットは、トゥームレイダーのロケ地としても知られています。
カンボジア国旗にも象徴として描かれています。
カンボジアを訪れるとポル・ポト政権時の爪痕が今でも残っています。
過去に何が行われたのか、歴史に興味がある方はカンボジアの歴史を調べてみることをおすすめしますよ。
シンガポール
基本情報
・国、地域:シンガポール共和国 (The Republic of Singapore)
・面積:728.3平方キロメートル(東京23区[627.5平方キロメートル]をやや上回る規模)
・人口:569万人(2020年。人口には、国民、永住者、および長期滞在 (1年超)の外国人が含まれる。出所:シンガポール統計局)
・宗教:仏教、イスラム教、ヒンズー教、道教、キリスト教ほか
・民族構成:中国系(74.4%)、マレー系(13.4%)、インド系(9.0%)、その他(3.2%)(2019年)※国民・永住者の人口(402万6,209人)の内訳。
・公用語:英語、中国語(北京語)、マレー語、タミル語※国語はマレー語
・一人あたり名目GDP:58,902ドル(2020年)
出典:JETRO
『シンガポール』はアジアの金融センターです。
1965年にマレーシアから独立を果たして現在に至ります。
独立の歴史や国の成り立ちを知ると、シンガポールの国としての強さが見えてきますよ。
2018年には米朝会談のホストとして選ばれるなど、中立的な政治や治安の良さも世界的に注目を集めています。
タイ
基本情報
・国、地域:タイ王国 (Kingdom of Thailand)
・面積:51万3,115平方キロメートル(日本の約1.4倍)
・人口:6,659万人(2020年、出所:内務省)
・首都:バンコク(タイ語名:クルンテープ・マハナコーン) 人口567万人(2020年、出所:内務省)
・言語:タイ語
・宗教:人口の約95%が上座部仏教、その他イスラム教(4%)、キリスト教(0.6%)など
・一人あたり名目GDP:7,816ドル(2019年)
出典:JETRO
ほほ笑みの国『タイ』。
周辺地域が欧米諸国の植民地となっていましたが、タイは常に独立を維持してきました。
東南アジアの中でもいち早く工業化に取り組み、多くの日系企業も進出しています。
軍事政権が続き、近年でもクーデターが発生している国でもあります。
また、ASEANの中でも高齢化のスピードが早い国となっています。
フィリピン
基本情報
・国、地域:フィリピン共和国 (Republic of the Philippines)
・面積:30万平方キロメートル
・人口:1億98万人(2015年、出所:フィリピン統計庁(PSA))
・首都:マニラ首都圏(NCR) 人口1,288万人(2015年、出所:PSA)
・言語:フィリピノ語、英語、セブアノ語など
・宗教:カトリック教(82.9%)、その他キリスト教(10.0%)、イスラム教(5.1%)など
・公用語:フィリピノ語、英語
・一人あたり名目GDP:3,330ドル(2020年)
出典:JETRO
『フィリピン』は人口が1億を超えて、今後に注目が集まる国です。
公用語が英語な点もポイントです。
英語を駆使して外貨を稼ぐ出稼ぎ労働者が有名ですね。
近年は英語力を伸ばすためのフィリピン留学も注目されています。
フィリピンのトランプ大統領こと「ドゥテルテ大統領」の言動や行動には今後も注目です。
ブルネイ
基本情報
・国、地域:ブルネイ・ダルエスサラーム(Brunei Darussalam)
・面積:5,765平方キロメートル(三重県とほぼ同じ)
・人口:45万人(2020年推計値)
・首都:バンダルスリブガワン
・民族:マレー系66%、中華系10%、その他24% (2020年)
・言語:マレー語(公用語)。英語は広く通用し、華人の間では中国語もある程
度用いられている。
・宗教:イスラム教(国教)(80.9%)、仏教(7.1%)、キリスト教(7.1%)、その他
(5.0%) (2016年)
・一人あたり名目GDP:29,404ドル(2019年)
出典:JETRO
『ブルネイ』はボルネオ島北部に位置する立憲君主国家です。
国王のカーコレクションが注目されることもありますね。
石油や天然ガスが豊富なことで知られ、一人あたりGDPも東南アジアでは上位となります。
流通している通貨のブルネイ・ドルは、シンガポール・ドルと等価交換できます。
イスラム国家で国内でのアルコール販売をしていないので、持ち込みが必要となります。
ベトナム
基本情報
・国、地域:ベトナム社会主義共和国 (Socialist Republic of Viet Nam)
・面積:33万1,690平方キロメートル(日本の0.88倍)
・人口:9,758万人(2020年、出所:ベトナム統計総局(GSO))
・首都:ハノイ 人口 809万人(2019年、出所:ハノイ市統計局)
・言語:ベトナム語、ほかに少数民族語
・宗教:仏教(約80%)、そのほかにカトリック、カオダイ教、ホアハオ教など
・公用語:ベトナム語
・一人あたり名目GDP:2,779ドル(2020年)
出典:JETRO
『ベトナム』は年々、産業面や観光面で注目度を高めています。
人口も1億人超え間近で、今後の発展にも期待されていますね。
社会主義国家ですが、北部に位置する首都ハノイは社会主義色が強く、南部のホーチミンは資本主義色が強いという特徴があります。
ホーチミンを訪れる際には「ベトナム戦争証跡博物館」に訪れてみてください。
ベトナム戦争の悲惨さや壮絶さが分かります。
マレーシア
基本情報
・国、地域:マレーシア (Malaysia)
・面積:33万290平方キロメートル(日本の0.87倍)
・人口:3,275万人(2021年、出所:マレーシア統計局)
・首都:クアラルンプール 人口177万人(2021年、出所:マレーシア統計局)
・言語:マレー語、英語、中国語、タミール語
・宗教:イスラム教 61.3%、仏教 19.8%、キリスト教 9.2%、ヒンドゥー教 6.3%など
注:割合は2010年の推定 出所:マレーシア統計局
・公用語:マレー語
・一人あたり名目GDP:11,218ドル(2019年)
出典:JETRO
『マレーシア』は1957年にイギリスから独立を果たして以来、安定的に成長してきました。
マハティール政権時には「ルックイースト政策」という日本に学ぶ政策を実施し、国の成長につなげてきました。
インフラが整っていて、長期ビザが取得しやすく、英語が通じるなど、老後の移住先として人気を集める国としても知られていますね。
ミャンマー
基本情報
・国、地域:ミャンマー連邦共和国 (Republic of the Union of Myanmar)
・面積:67万6,578平方キロメートル(日本の1.8倍)
・人口:5,707万人(2021年7月推計値、出所:米国中央情報局)
5,114万人(2019年インターセンサル・サーベイ、出所:ミャンマー入国管理・人口省)
・首都:ネーピードー
・言語:ミャンマー語、シャン語、カレン語、英語
・宗教:仏教(87.9%)、キリスト教(6.2%)、イスラム教(4.3%)、ヒンドゥー教(0.5%)など
・一人あたり名目GDP:1,527ドル(2020年)
出典:JETRO
『ミャンマー』は2015年にようやく民主化が実現しました。
しかし、2021年にクーデターが発生し、政情不安に陥っています。
建国の父「アウンサン将軍」の歴史を追っていくと建国までの歴史を、その娘「アウンサン・スー・チー」の歴史を追っていくと現在のミャンマーの混乱の状況が見えてきます。
民主化を果たした2015年以降から外資が進出し、これからの発展に期待されましたが頓挫してしまいました。
今後の内政に注目ですね。
ラオス
基本情報
・国、地域:ラオス人民民主共和国 (Lao People’s Democratic Republic)
・面積:23万6,800平方キロメートル(ほぼ本州の面積、出所:ラオス統計局)
・人口:712万人(2019年、出所:ラオス統計センター)
・首都:ビエンチャン 人口:92万8,000人(2019年、出所:ラオス統計センター)
・言語:ラオス語(公用語)
・宗教:仏教
・民族:ラオ族をはじめ計50民族
・一人あたり名目GDP:2,626ドル(2020年)
出典:JETRO
『ラオス』は東南アジアで唯一、国土が海に面していない内陸国家です。
そして、1953年にフランスから完全独立を果たした社会主義国家です。
中国が進める一帯一路構想の一環で、中国が建設した鉄道が2021年12月に開通しました。
中国との関係が深く、今後が注目される国ですね。
世界で唯一、「象使い」の免許が取得出来ます。
ASEAN一人あたりGDPランキング(2020年)
ASEAN一人あたりGDPランキング(2020年)
1位:シンガポール(59,798ドル)
2位:ブルネイ(27,466ドル)
3位:マレーシア(10,402ドル)
4位:タイ(7,189ドル)
5位:インドネシア(3,870ドル)
6位:フィリピン(3,299ドル)
7位:ベトナム(2,786ドル)
8位:ラオス(2,630ドル)
9位:カンボジア(1,513ドル)
10位:ミャンマー(1,400ドル)
※参考
日本(40,122ドル)、中国(10,500ドル)、韓国(31,489ドル)
(米ドル)
※出典:目で見るASEAN
まとめ:ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟の10ヶ国を紹介します!
いかがだったでしょうか。
ASEAN(東南アジア諸国連合)に関して各国の概要が分かりましたか。
ASEAN加盟10ヶ国
・インドネシア
・カンボジア
・シンガポール
・タイ
・フィリピン
・ブルネイ
・ベトナム
・マレーシア
・ミャンマー
・ラオス
東南アジアは、世界の中でもその成長力が注目されています。
実際に筆者である私自身が、ASEAN全ての国を訪れたことがあり、それぞれの国の勢いを肌で感じてきました。
これから海外進出を検討している方や海外で働いてみたい方は、ASEANの各国は要注目ですよ。
どの国も魅力的なので、現地を訪れて現地の空気を感じてみてください。
経済的な現地情報を詳しく知りたい方には、以下の「ASEAN企業地図」をチェックしてみる事をおすすめします。
各国の日系企業の進出状況や、現地でビジネスするために必要な財閥に関する情報が見えてきます。
Good Luck!